2012.04.02 Monday
ただしくたのしめDIY
昨日DOMMUNEでやっていた、FOR 座REST大学@福島の中継に、
drop家そろってかなり大好きな坂口恭平氏(新政府 初代内閣総理大臣)が出ていて、俄然盛り上がる。
友人のあんざいしんやさんもお父さんも出演していたし、
豪華アーティストライブもすばらしかったのだけど、
坂口さんのトバしぶりがあまりに痛快で、
途中で音楽やゲストの語りに浸るどころではなくなってしまった。
PCの前で、いいぞいいぞ〜と拳をあげてしまいましたよ。

坂口さんのことは、2年前にエココロでの連載(家をめぐる冒険)で、
猪谷六合雄(イガヤクニオ)の紹介をしていたのをきっかけに知った。
連載1発目で紹介されていた「猪谷六合雄が71歳で車の免許をとって、
73歳で車を改造してトラベルカーと名付けた移動式住居を作り上げた、、、」
という衝撃の発明家人生もたいそう印象的だったのだけれど、
坂口恭平さん自身も、建築という窓からホームレスの研究をしたり、
モバイルハウスを作ったり、熊本で新政府をつくって首相になったり(!)、
(※詳しくは0円ハウスまたはゼロからはじめる都市型狩猟採集生活をご覧あれ)
知れば知るほど猪谷六合雄を上回る勢いのDIY精神の持ち主ということが判って、
つねに興味しんしん、その行動と行く先に大注目なのです。
話はもどって、FOR座REST大学の中継前半では、
当然、福島での放射線の話も語られていたのだけれど、
除染の話は聞いていて、ううう〜ん、と苦しくなってしまった。
除染の技術や効果うんぬん以前に、
「放射線を正しく理解して、我慢しよう、なんとか除こう」
というような前提にどうしても違和感を感じるのである。

「除染による復興、ふるさとを元に戻すこと」は、
福島に今なお住まれている方々や放射能と戦う我らみんなの安心を得るための
手段や希望のひとつであるのかもしれない。
でも、そもそもなぜ放射線を受け入れないといけないのか。
さらにはなんで自ら除染なんてしなければいけないのか。よそ者ですら納得がいかない。
そんな理不尽な宿題、いくら故郷が大切でも頑張れるはず無いだろうと思うのだ。

「逃がす」「避難への支援」「選択肢の開拓」がもっと切実に行われて来ていれば、
逃げたいのに残らざるを得ない人にとって「外へ移動」がひとつの希望的選択肢になったはずだ。
少なくとも「逃げてくれ」と国が言ってくれたら、
避難に対する後ろめたさも無くなるだろう。
大人も命や子どもの未来を優先できる余裕が出るだろう。
つてがなくても受け入れ先をなんとか探すだろう。
津波や地震による震災からの復興と、
放射能汚染との戦いは別の問題として考えるべきことで、
終わりがいつ来るかもわからず見えもしないのにただ我慢させるという発想が、
私はとことん嫌なのだ。おかしいと思う。別の方法がいい。

「メルトダウンも放射線も危険です、命を脅かします。
どうなるかわからないからみんな逃げてください、ごめんなさい」
となんでこの国は、言わなかったのだろう今も言えないんだろう、と常々思っている。
坂口さん言うところの「逃げる練習」だとか、
せめて「移動」という選択肢を増やしてよ、と思うにつけ、
国民の命よりもお金や体裁を守ることに必死なこの国が信用できない。
言うまでもなく、原発で漏れ出ているのは自然界にもともとある放射線とはちがう、
我らニンゲンがわざわざ人工的につぎはぎして作っている史上最低の毒物なのであって、
安定したエネルギー(電力)というものを売り物にして、
今だ送電線まで牛耳ってお金を食べ続けている東京電力が管理しきれず、
結果簡単に壊れてばらまかれたものだ。
散々国策として原発を推進して来た政府は思考停止、判断に必要な情報を隠蔽して、
危険かどうかの決めるのは国民まかせ、汚染も内部被爆も見てみぬふりして来た。
直ちに影響はないけど、長い目で見たら影響あるっていまならみんな知っている。
テロとそう変わらない国際犯罪レベルの業務上過失致死の尻拭いを
その土地に生まれ育った人に課すってどういうことなのか。
いまの政府に、私たちの命に関わる判断や基準を預けるほどの価値はない。
除染とか支援とかの前に、この狂った構造をひっくりかえさないと、
地元に残っても苦心、避難しても先が見えず大変、の不安の多い袋小路に迷い込む一方だ。

坂口さんがつくった「新政府」が打ち出すプロジェクトや発想には、
この状況をぶっ壊す、もしくは自分の手の内に大事なものを取り戻す提案が
てんこもり詰まっている気がして、わくわくしている。
違うレイヤーでこの世界を見ろ、自ら自治をはじめて一緒に楽しもうよという発想は、
一見突飛なようだし甘く見えそうでいて、
実は歪んでいるこの実社会よりよっほど真っ当に見える。
お金も使える場所では使うけど、だからってそれに頼らなくたって生きていける、
自分の頭で考えて、できることからはじめよう。
っていうメッセージは一番現実的で信用できる思想じゃないだろうか。
FOR 座REST大学で、彼は「熊本は福島で、福島は熊本だ」「逃げる練習をしよう」などなど、私たちの耳に新鮮に届く名言をたくさん言ってましたよ。
逃げることも「逃げる練習」も、ほんとに必要だと思う。心底共感します。

さて、共感するだけでなく、
我らも手の内からできるDIYをどんどん実行しよう。
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